「じゃ、そろそろ休むわよ。今日は本当、色んなことがあったし」
 もうすっかり真っ暗、満天の星がきれいだけど、力を使い過ぎたこともあって眠気が激しい。
「はい、ティナさん。でも、あの…」
「ん、おやすみ、閃那さん…」
 まどろみに包まれて、目を閉じるとすぐに眠りの世界に飲み込まれていきそう。
 それに、すぐ隣から愛しい人のぬくもりを感じられて、安心してられる…。
「もう、ティナさんったら、せっかく恋人になれたはじめての夜なのに…」
 何か、残念がってる様な声が聞こえるんだけど…。
「でも、今日はティナさんの言う通り、色々ありましたしね…いちゃいちゃするのは後のお楽しみに取っておきます。お疲れさまでした、ゆっくり休んでくださいね、ティナさん」
 やさしく頭をなでられてる感覚を受けながら、あたしは眠りについたの。

 ―翌日、あたしたちは一気にお社へ戻って。
 やっぱり叡那さんはあたしたちのこと知ってたけど、そんなあたしを労わってくれて。
 でも、閃那さんはそんなみんなと再会する前に、元いた時間に帰っちゃった。
 戻ってくる日付は指定されたし、大丈夫だって自信を持って帰ってったけど…本当、大丈夫なのかしらね。
 戻ってきたら叡那さんたちに紹介するってことになってるし、それに…想いが通じ合ってからまだほとんど一緒に過ごせてないんだから、さみしいじゃない…。
「だから…はやく戻ってきなさいよね」
 お揃いの指輪をつけて、空を見上げて…今は遠くにいるあの子を想ってそう呟いちゃうの。


    -fin-

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