「ティナさーん、今日はそろそろお休みしませんか?」
 学生寮へ帰ってきて夜も更けてきて、同室である彼女がそう声をかけてきた。
「ん…そうね」
「やっぱり今はちょっと何もなさすぎですしね…。だからって勉強しちゃうティナさんは真面目過ぎです」
「いいでしょ、別に…」
 ここには合格できたとはいえ、あたしはまだまだこの世界についての知識がないんだから…ちなみに閃那は好きな作家の本ってのを図書室っていう本がたくさんある場所から借りて読んでた。
「ふぅ、ちょっと疲れたわね…じゃ、休もっか」
 立ち上がって軽く伸びをする…勉強、別に好きってわけじゃないからね?
「ティナさん、私の用意したパジャマよく似合ってます」
「そ、そう? ありがと」
 寝るときの服は彼女が用意したものを着ることになったの…ま、断る理由ないしね。
「それに、やっぱり猫耳かわいいです」
「いや、だから猫耳じゃないってば…別にいいけど」
 ねころ姉さんの耳を否定することになりそうだったから言葉を濁したけど、ともかく今のあたしはリボンをほどいて髪をおろしてるから、あの耳も普通に見えてる。
「…ティナさん、もう我慢できません。ご褒美、もらっていいですよね?」
「ご、ご褒美って何よ…」
 彼女、うっとりした様子で歩み寄ってきたりして、何しようとしてるか予想ついちゃうんだけど…。
「朝の約束…夜まで我慢しましたよ?」
「そう、ね…でも、身体測定のことがあるから、どうかしらね」
「えぇーっ、そんな意地悪言わないでください、お風呂のときだって我慢したんですから…」
 不満の声上げられちゃっけど、お風呂もあんまり広くないのに一緒に入ることになって、確かに身体を洗い合う以上のことはなかったわね…それだけでも十分どきどきしたんだけども。
「ティナさぁん…ダメ、なんですか?」
 すぐ目の前まで迫って、上目遣いで見つめられちゃう…。
 そんな顔されてダメ、とか言えるわけないじゃない…その、あたしだって、嫌なわけじゃないし、それどころか…。
「そ、そう、ね…す、好きにしたら、いいじゃない」
 でも恥ずかしくって、少し顔を逸らしながらそんな返事になっちゃう。
「はい、じゃあ好きにさせてもらっちゃいます…ティナ、大好き」
 彼女はあたしをぎゅっと抱きしめ…唇を重ね、ベッドの上に押し倒してきちゃったのだった。


    (第2章・完/第3章へ…)

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