「うぅ、何だかひどい目にあっちゃった…」
 アルバイトが終わって、ステージへ向けての練習をするためにあの子と一緒に事務所へ向かうけど、その道すがらちょっと肩を落としちゃう。
「自業自得です、お店の中であんなことするから」
「うぅ、そうだね…」
「それにセンパイ、やきもちやいてましたよね?」
「それは、そんなこと…」
「…ないんですか? 私は、すみれ以外の人に髪をいじられたりして、残念な気持ちでしたのに」
 じっと見つめられてそんなこと言われたら…自分の気持ち、認めるしかない。
「ぶぅ…ごめん、やきもちやいてた。私、心が狭いよね」
「いいえ、嬉しいです。そんなにすみれが私のことを想ってくれてる、って」
 そんな彼女の言葉、微笑みにどきっとしちゃう。
 …あぁ、私、やっぱり里緒菜ちゃんのことが大好きなんだなぁ。
「あんなこと言うすみれもかわいいですけど、でもああいうことするのは二人きりの空間でしてくださいね。すみれだけで、私は…すみれだけに、見ていられたいですから」
「う、うん、そうだね」
 うぅ〜っ、もう、ますますどきどきしちゃうよ。
「それに…私だけというのも不公平ですから、次はすみれに色々させてくださいね?」
「…へっ? で、でも、私になんて…」
 髪も短めだし、それに…かわいくなんてないのに。
「ダメ、なんですか?」
「…うぅ〜っ、い、いいよ、里緒菜ちゃんならっ」
「そうですか、よかったです…楽しみ」
 ちょっと恥ずかしいけど…でもやっぱり、それ以上に幸せな気持ちになっちゃうんだよね。
 里緒菜ちゃんが愛しいって気持ちが溢れちゃいそうで、繋いでる手をぎゅってしちゃうの。


    -fin-

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