あの子と一緒に過ごせる約束をすることができて。
「うん、やっぱり何かプレゼントを用意したいな」
大好きな人への贈り物…そしてセンパイとしても、ね。
でも、何がいいかな…想いを伝える、ってことで指輪とかいいかもだけど、それは重過ぎる気がするし、私には似合わない気もしちゃう。
それに、手作りのもの、っていうのも私には無理そうだし、そうなるとあの子の好きそうなもの、ってことになるよね。
そう考えてやってきたのは、アニメやゲームのお店…あの子も声優さんになった、ってことはこういうの好きなはずだし、それにゲームしてること多いからゲーム好きなのは確かだよね。
「う〜ん、でも、何がいいかな…」
あんまり普通の選ぶと、もう持ってたりするかもしれないし…悩ましい。
「う〜ん、どうしようかしらね…」
と、すぐそばから、同じく悩んでるみたいな声が届いた?
「彼女、大抵のものは持ってそうだし…でもやっぱ喜んでもらいたいし、難しいわね」
小声でそんなことつぶやきながら棚を見てたのは、あの子と同じ学校の制服を着た女の子…つり目でしっかりしてそうな雰囲気の、でもツインテールにしてる髪のリボンがちょっと猫耳にも見える気がする。
この子もプレゼントで悩んでるみたいで、しかも「彼女」とか言ってたってことは、もしかして…?
「こういうの、よく解んないし…ん? これ、確かあの子が好きな人たちじゃなかったっけ…」
そんなこと言いながら彼女が手にしたのは、アーティストのPVが収録されたDVDだったんだけど、あれ…?
「そうね、間違いないわ。ずいぶんファンみたいだし、それにこれ、数日前に出たばっかりみたいだからあの子もまだ持ってないでしょうし、これにしとこっと」
そう言って彼女が持ってったDVD、あれ…夏梛ちゃんと麻美ちゃんが組んでるユニットのだった。
二人はあんなDVDが出るまでになって、しかも今の子があれを贈る相手はずいぶんなファン、ってことだったよね…うんうん、すごいな。
じゃあ、私もそれを買ってみようかな。
夏梛ちゃんと麻美ちゃんのDVDについては、あくまで個人的な買い物。
あの子へのプレゼントのほうは…ちょっと前に出た、最新の携帯ゲーム機にしてみた。
確かあの子は持ってなかった気がするし、それに万が一持ってた場合は私がこっちを持って、同じゲームを一緒にするとかできたらいいかな…って。
プレゼントも用意したし、あとは当日を待つだけ…。
「私のこの想い…あの子へ、届けなきゃ」
今からとってもどきどきしちゃうけど、チョコバー食べて落ち着いて…うん、大丈夫、どんな結末になるにしても、私の彼女への想いは変わらないんだから。
-fin-
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