〜天姫ジャージ部結成?〜
「う〜ん、どうしよ…サクサクサク」
―公園のベンチに一人座る私、山城すみれはチョコバーを口にしながらちょっと考えごと。
お仕事のほうはまずまず順調なんだけど、最近はそれ以外のところに問題がたくさんあって…。
「本当に、あそこが関わってきてるのかな…サクサク」
一番大きな問題は、私の出身校…この街にある、そして里緒菜ちゃんも通ってる天姫学園と同じく特殊な能力を持つ子が通う場所のこと。
そこで何か怪しいことが行われてるかもしれない、っていう話も一度聞いたんだけど、それにこの街で怪しい噂があるんだよね…。
私と同じくそこ出身な夏梛ちゃんの話によると、最近このあたりで能力を上げたりできるっていう怪しいものを売ったりしてる人がいたりするそうで、しかもそれにあの場所が絡んでるかも、っていうの…。
「やっぱり、放っとけないよね…サクっ」
あの場所が関わってることなんだし、それに…この街でのことってなったら、里緒菜ちゃんが巻き込まれたりしないか心配になっちゃう。
でも、私がちょっと調べた限りじゃそういう事実は確認できなかったんだよね…やっぱり、天姫学園の生徒あたりじゃないと接触は難しいのかも。
悪いことをしてる人がいるかもしれないっていうのに、何もできないなんて…。
「そんなのいやだし、何かないかな…サクサクサク」
新しいチョコバーを口にする…んだけど、ふっといい考えが浮かんだ。
「これ、いいかも…うん、さっそくやってみよっ」
思い立ったらいても立ってもいられなくなっちゃって、一気にチョコバーを食べると橋ってその場を後にしちゃった。
その日のうちに色々準備を整えて、その翌日。
「さてと、それじゃさっそく貼っていこうかな」
天姫学園にやってきた私、学園内にある掲示板にポスターを貼っていく。
それには私がこれから活動していきたいことについての告知が書かれてる。
「天姫ジャージ部、活動開始だよっ」
最後のポスターを貼った私、思わず気合を入れてそう口にしちゃうけど、その言葉の通り今の私はジャージ姿。
とあるアニメの、そして私に近い気のする女の子がそういう部を作ってて、困ってる子の力になっていたのをふと思い出して、私も同じ様にすればいいかも…って考えたわけ。
もちろん手を貸すのは悪いこと以外なわけだけど、困っている子の中にはあの問題で悩んでたり巻き込まれたりしてる子もいるかもしれない…それを探し出す意味でもいいかもしれない、って考えたの。
それに、こうすることで学園内でもあの子の力になれたりするかもしれないし、ちょっとでもそばにいられるかもしれないし…いいことだらけだよね。
「よ〜しっ、頑張ろっ」
…あ、私はここの生徒じゃないんだけど…ジャージ着てれば解らないよね、きっと。
-fin-
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