―学園祭が終わった、その翌日。
「みーちゃん、今日からお留守番、お願いできる? 私は、大丈夫だから」
学生寮の部屋を出る前に、みーちゃんをベッドの上においてそう声をかけます。
もちろん、みーちゃんは今でも大切な家族です…けど、いつまでも、甘え続けていてはいけません。
私の家族になる、って言ってくれた子にも甘えてばかりじゃダメですし、ちゃんとしっかりして…私からも、幸せをあげられる様にならなきゃ。
「みーちゃん、じゃあいってきます」
今日は学園祭の片づけを午前中にして、それでおしまい…明日はお休み。
「深空ちゃん、お迎えにきたの。行きましょう、なの」
放課後になって、あの子が私の教室までやってきて手を差し伸べてきます。
「うん…りんごちゃん」
少し恥ずかしさはありますけど、私もその手を取って一緒に教室を後にします。
こうしていると幸せ…ですけど、緊張でどきどきもしてきちゃいました。
「あの、りんごちゃん、本当に私も一緒で、いいの? せっかく、お姉さんとゆっくりお話しするってことなのに…」
そう、お昼ごはんを姉妹で食べてゆっくりお話しするってことなんですけど、そこに私もついていくことになったんです。
「大丈夫なの。ねえさまに、深空ちゃんのことを紹介したいの…私の大切な家族、恋人なのって」
「こ、こここ…!」
一気に顔が赤くなっていくのが自分でも解ります。
「あら、違ったの?」
「ちっ…違わない、です」
「それならよかったの。だから、一緒に行くの…これからも一緒なの」
うん、私…これからもずっと、一緒にいたい、いられる様にするよ。
悲しいことになんてさせない…この幸せ、二人で一緒に、ずっと、ずっと。
「うん、りんごちゃん…これからも、よろしくね」
離れない…離さないって気持ちを込めて、笑顔を向け、そして繋いだ手をぎゅってします。
-fin-
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